基地内の拝所を自由に拝ませて 読谷村の自治会が防衛局にフェンス移動を要請


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田中利則局長(左端)に要請文書を読み上げる石嶺伝実村長(右から3人目)=1日、嘉手納町の沖縄防衛局

 【読谷】読谷村牧原自治会の與古田松吉会長や照屋寛徳衆院議員、石嶺伝実読谷村長らは1日、沖縄防衛局に田中利則局長を訪ね、旧牧原集落出身者らが自由に拝めるよう米軍嘉手納弾薬庫地区内の拝所「チチェーン御嶽」前にあるフェンスを基地側に後退させるよう求めた。旧牧原集落は戦後、集落ごと米軍に接収された。以前は旧暦9月9日の例祭には御嶽で手を合わせたりエイサーを奉納したりしていたが、2001年の米同時多発テロ事件の発生以降、自由に出入りができたゲートが閉鎖された。

 田中局長は昨年10月に與古田自治会長からの要請を受け、米軍側とフェンスの移動について調整したことを明らかにした。ただ「米軍からは『現時点では警備上の観点から非常に難しい』との回答があった」と説明し、今後も引き続き調整していく意向を示した。

 與古田会長は、以前は自由に出入りできた事実に触れた上で「自治会としては国策で戦争に巻き込まれ、土地や祈る権利までも奪われた。政府が責任を持って(フェンス移動の交渉を)やるべきだ」と訴えた。