辺野古設計変更への名護市長意見、審議持ち越し 名護市議会 一部与党から取り下げ提案も 


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設計変更申請について説明する渡具知武豊名護市長=16日、名護市議会議場

 【名護】名護市の渡具知武豊市長は16日、沖縄防衛局による新基地建設の設計変更申請の埋め立て地用途変更について「異議なし」とする市長意見を市議会12月定例会本会議に追加議案として提案した。野党議員が「拙速な意見提出だ。いったん取り下げて3月定例会で再提案すべきだ」と追及。与党の一部からも「しっかり審議してから県に提出すべきだ」との発言が出る異例の展開となり、審議を最終日の21日に持ち越して同日に討論・採決まで行うこととなった。

 追加議案は1日で審議完了するのが慣例だが、議会運営委員会で協議した結果、「資料を精査する時間などが必要だ」と判断した。

 市長意見は、辺野古漁港周辺約4.6ヘクタールに関して作業ヤード用の埋め立てをやめる埋め立て地用途変更に「異議はない」とし、軟弱地盤や地盤改良工事に関わる設計概要変更については触れていない。渡具知市長は、市長意見を取り下げる考えはないと明言した。

 野党側は「用途変更と設計概要変更はつながっている」として、市に設計概要変更の説明資料提出を求めた。市は同日午後に設計概要変更の資料を配布した。市側は「照会は埋め立て地用途変更の部分と理解しており、その部分の資料を事前配布した」と説明した。

 審議では、辺野古区選出で自民会派「礎之会」の宮城安秀氏が「(野党に)しっかり理解してもらうためにもいったん取り下げて新たに提案してはどうか」と発言し、与党側に波紋が広がった。市長意見の照会は公有水面埋立法に基づく手続きで県が11月27日に照会の文章を市に送付し、来年3月26日を期限に意見の提出を求めている。