「辺野古土砂に戦没者遺骨の混入懸念」東京で集会 ガマフヤー具志堅氏も訴え


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「戦没者の遺骨が混じった土砂を辺野古新基地建設に使わせてはなりません」とする共同声明を発表した宗教団体の集会に参加し発言する井上哲士参院議員(右奥3人目)=16日、東京

 【東京】名護市辺野古の新基地建設に絡み、沖縄防衛局が沖縄戦戦没者の遺骨が混在している恐れのある本島南部地域の土砂使用を計画している件で、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松氏が16日、計画に反対する団体が東京都内で開いた集会にオンラインで参加した。具志堅氏は同日までに土砂調達の対象地域である糸満市米須の「魂魄の塔」付近で新たに遺骨が見つかったことを報告し「遺族にとっても我々にとっても不幸なことだ」と計画反対を訴えた。

 集会は、キリスト教や仏教など宗派を超えた宗教者の集い「平和をつくり出す宗教者ネット」(武田隆雄代表)など6団体が主宰した。

 具志堅氏は14日、糸満市米須の石灰岩の採掘現場で、母子のものとみられる遺骨を発見したと明かした。旧真和志村の村民らが建立した「魂魄の塔」近くで、「東京の塔」裏に位置する場所。現場近くでは11月にも複数の遺骨が見つかっていた。

オンラインで遺骨収集現場の状況を説明する「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さん

 採掘業者は石灰岩の使途を明らかにしていないが、沖縄防衛局は4月に辺野古新基地で使用する土砂について本島南部からの調達計画を公表しており、関連が指摘されている。

 具志堅氏は「沖縄戦の戦没者の遺骨が収容されないうちに土砂と一緒に辺野古の海に投げ入れられようとしている」と指摘。沖縄防衛局に採掘現場の視察を要請していることも報告し「計画を止めるため皆さんと共に声を上げていきたい」と強調した。