【名護】新型コロナウイルス感染拡大防止のため、沖縄県が那覇、浦添、沖縄の3市内にある飲食店などを対象に要請した、時短営業が17日から始まった。新規感染者が増加している名護市の飲食店などは、時短営業の要請や協力金の対象から除外された。北部の医療や飲食店の関係者からは、疑問や困惑の声が上がる。
名護市では17日以降も、時短営業をせずに通常営業をする店舗が目立つ。ただ、今月に入って北部保健所管内の飲食店でクラスター(集団感染)が確認されると、忘年会のキャンセルなどが相次ぎ、客足は遠のいているという。名護市宇茂佐の森でイタリア料理店を営む諸喜田秀之さん(49)は「客もめっきり減っているが、休業補償がなければ店を開けるしかない」と声を落とす。
医療従事者は「名護市が(時短営業の)補償対象から外されたことで、北部はまだ大丈夫だと誤った印象が独り歩きしている」と言い、県の対応を疑問視した。195店舗が加盟する名護社交飲食業組合の渡久地等組合長は「感染拡大を懸念する組合員から早く名護市内の店にも時短営業の要請と補償をしてほしいとの声が殺到している」と説明する。
那覇市など3市が時短営業の対象となった理由として、県は「飲食関係を感染源とする事例が集中している」ことを挙げる。北部地区医師会の医師は「北部は新型コロナの患者を受け入れる病床で満床状態が続いている。主な感染源として飲食関係を挙げるなら、名護市の飲食店なども(時短要請などの)対象にすべきだ」と指摘した。
(塚崎昇平、松堂秀樹)