地域の高齢者 元気に 沖縄大福祉文化学科の学生15人 思い込めクリスマスカード


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ポストにクリスマスカードを投函する沖縄大学の学生ら=21日、那覇市国場の同大

 沖縄大学福祉文化学科の学生15人は21日、1人暮らしの高齢者に宛てたクリスマスカードをポストに投函(とうかん)した。贈る相手は、学内のミニデイサービスで会うはずだった地域のお年寄りだ。新型コロナウイルス感染防止のため、交流が中止になり、せめてメッセージで元気を届けたいと企画した。カードはクリスマス前に届く予定だ。

 沖縄大学福祉文化学科はゼミの授業として昨年までミニデイサービスを実施し、学生と高齢者が一緒に歌を歌ったり、ストレッチをしたりして交流していた。しかし、今年は新型コロナウイルスの感染が拡大。高齢者の重症化リスクが高いことを考えると、断念せざるを得なかった。「ミニデイサービスに行けなくてさみしい」という高齢者の声は、大学の教授らを通して学生に伝わっていたという。

 「『さみしい』という思いを、少しでも『うれしい』に変えたい」。同学科3年の伊禮鈴乃さん(21)らは、会えなくても思いを伝えられる方法を模索し、クリスマスカードを贈ることにした。

 ただ、学生らはカードを贈る相手と会ったことはなく、顔も分からない。昨年までのデイサービスに参加した先輩から一人一人の特徴を聞き取り、相手を想像しながらメッセージをつづった。視覚障がいのある人には、切り絵のサンタクロースやトナカイを貼り付け、触って楽しめるように工夫した。

 学生側も密集を避けて手作りした。カードは画用紙に写真を貼り付けたものや、はがきにサンタクロースやツリーを描いたものまで、さまざま。メッセージは全て手書きだ。

 大学内のポストに全てのカードを投函した後、伊禮さんらは「メッセージを読んで、学生と関わりたいと思う人が増えたらいいな」と、笑顔を見せた。(稲福政俊)