鳥インフル備え、県内養鶏場不十分 4割「手指消毒せず」衛生管理で農水調査


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 西日本で高病原性鳥インフルエンザがまん延していることを受けて農林水産省はこのほど、全国の養鶏場で飼養衛生管理が守られているか調査を行った。7~10日に県の家畜保健衛生所が県内108農場に聞き取り調査をしたところ、全項目で全国平均を下回った。特に家きん舎に立ち入る際の手指消毒の実施状況が61%と低く、約4割の農場で行われていなかった。

 全国と比べて県内の飼養衛生管理の順守率が低い状況に、県畜産課は「小規模で衛生管理に手が回らない農家や、農家自身の意識が低い部分もある」と述べた。改善が必要な部分は立ち入りなどで随時指導を行い、1月15日に再度農水省に状況を報告する。

 確認したのは、衛生管理区域に立ち入る際の手指消毒や衛生管理区域専用の衣服や靴の設置、車両消毒などの7項目。いずれも家畜伝染病予防法によって、農家が守るべき義務として定められている。

 衛生管理区域に立ち入る際の手指消毒は全国平均より27ポイント低い69%、家きん舎ごとの靴の履き替えは同19ポイント低い69%だった。最も守れていたのは、ネズミや害虫の駆除の88%だが、全国平均より8ポイント低かった。

 県は鳥インフルエンザの感染有無を調べるモニタリング調査を毎月実施しており、これまで全てで陰性が確認されている。

 1月に発生した豚熱(CSF)では、最初に発生した農場で、農家が年末年始は家畜保健衛生所が休みと思い、通報が遅れたことがあった。県畜産課は年末年始を前に、「異常な家きんがいたらすぐに通報してほしい」と呼び掛けた。