名護・津嘉山酒造所でクラシック演奏会 国の重文の庭園でこけら落とし


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クリスマスソングやクラシックの名曲を演奏する琉球交響楽団のメンバーら=18日、名護市の津嘉山酒造所

 【名護】国の重要文化財に指定されている名護市の津嘉山酒造所の庭園が、11月に国の登録記念物(名勝地関係)に指定された。その指定を祝おうと、琉球交響楽団が18日、クラシックコンサート「酒蔵で酔うクラシック」を、津嘉山酒造所で開催した。約50人が来場した。聴衆は貴重な文化財の建造物で、演奏されるクラシック音楽の数々の音色に聴き入っていた。

 国の登録記念物に指定された「津嘉山酒造所庭園」のこけら落としとして開催された。直井大輔さんの指揮で演奏が始まると、酒造所の関係者や一般の来場者は心地よさそうな表情で演奏を楽しんでいた。

 名護市出身のヴィオラ奏者、比嘉佐和子さんら3人の名護市出身者を含む17人が出演した。クリスマスソングやクラシックの名曲など計15曲を演奏した。

 テノール、バリトン、ピアノで構成される「おから」の田里直樹さん、前川佳央さん、たさとしのぶさんもゲストで登場し、オーソミレオなどの楽曲で共演した。

 津嘉山酒造所に勤務する秋村英和さん(49)と、指揮者の直井さんが千葉県の高校で同級生だったという縁で実現した。

 秋村さんは「新型コロナウイルス感染拡大に沈む県民を激励しようと企画した。伝統、文化でもあるクラシックと泡盛は縁遠いイメージがあるが、それを払拭(ふっしょく)したい」と説明した。

 琉球交響楽団の高江洲貴美恵事務局長は「沖縄の伝統的な建築物の中で演奏するのは初めてだが、木のぬくもりが反響し、いい音が出た。密を避けるコロナ禍ならではの開放感のある場所で演奏ができた。今後も継続していきたい」と述べた。