子どもに無料や低額で食事を提供する「子ども食堂」が全国で少なくとも5086カ所となったことが23日、支援団体の調査で判明した。昨年6月の3718カ所から1368カ所増えた。県内では210カ所で設置され、県内の小学校区全体の約半数を占める。小学校区内の設置率を示す「真の充足率」は、沖縄県が49・2%と全国で最も割合が高かった。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で休止したケースも多いが、弁当や食料の配布や宅配に切り替えるなどして支援を続けているケースも珍しくない。
調査はNPO法人「全国こども食堂支援センター・むすびえ」(東京、湯浅誠理事長)が10~12月に実施。把握できた数を公表した。都道府県別では多い順に東京617カ所、神奈川418カ所、大阪357カ所。少ないのは島根18カ所、富山22カ所、秋田26カ所の順だった。
「真の充足率」のうち、全国2位は滋賀県の43・64%、3位は鳥取県の38・14%だった。全国で最も低かったのは徳島県の7・89%。続いて島根県の8・00%、長崎県の8・26%だった。
社会福祉が専門の沖縄大の島村聡教授(社会福祉)は民間団体のボランティアが食材確保や学習支援に取り組んでいることを挙げ「居場所を横から支える仕組みができてきたことが、居場所増の要因として大きいのではないか。沖縄が特段優れている点で評価できる」と指摘した。
県担当者は「以前は内閣府の補助金を活用した施設が多かったが、最近は地域で自主的な運営による設置も増えてきている」と分析した。
むすびえは、各小学校区ごとに1カ所以上の開設が望ましいとしている。独自の基準で比較すると、沖縄、滋賀、鳥取、東京の4都県は、地域全体にバランスよく広がっている。