「拡大を防止」歓迎の声 医療、飲食関係者 「対応遅い」批判も 名護・宜野湾 時短要請追加


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店舗入り口に時間短縮の張り紙をする仲松友幸さん=23日午後6時ごろ、宜野湾市普天間のショットバーモンタナ

 新型コロナウイルス感染拡大防止のため、県が那覇など3市の飲食店などに時短営業の要請と補償を発表していた件で、名護と宜野湾の2市も追加されることが23日に決まった。医療従事者や飲食店関係者から歓迎の声が上がる一方、「感染が蔓延(まんえん)する前に決断できなかったのか」など厳しい声も上がった。 

 「感染拡大にブレーキをかけることができる」。北部地区医師会の稲嶺盛嗣事務局長は県の決定を評価する。北部の医療現場は依然として逼迫(ひっぱく)した状態が続く。「『これ以上感染者を増やさない』という県の姿勢が現場にとって一つの安心材料になる」と述べた。

 クラスター(感染者集団)が発生した名護市の飲食店街関係者からは「ようやく名護にも目を向けてくれた」と、安堵(あんど)の声が漏れる。名護社交飲食業組合の渡久地等組合長は「組合員には要請に従い、感染拡大防止に最大限協力するよう呼び掛けたい」と語った。

 一方、対応が遅いとの批判も。飲食店「比嘉商店」の比嘉陸代表(33)は「県はなぜもっと早く手を打たなかったのか」とこぼした。「従業員の給料も払わないといけないので、対策をしながら営業をしてきたが、いつ感染者がでるか不安だった」と話した。

 宜野湾市内で飲食店を経営する、市社交飲食業協会の仲松友幸会長(58)は、県の決定を歓迎しつつ「水道料金や家賃など固定費の支援もしてほしい」と述べ、店の入り口に時短を知らせる張り紙をした。

 時短要請の期間が延長された那覇市では複雑な声もあった。市泉崎の飲食店「ちねんや~」の高里孝朗店長(30)は「12月は一番の繁忙期。従業員のことを考えると素直には喜べない」と吐露した。