伊平屋村の大規模クラスター 人口1200人の島に動揺走る 休校、成人式中止、医療体制は…


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 24日までに新型コロナウイルスの大規模感染が発生した伊平屋村では、住民から驚きと不安の声が相次いだ。村内の小中学校は感染者が増え始めた14日から休校となった。人口約1200人の小さな島に動揺が広がった。

 県によると、仕事で島に来た人が立ち寄った飲食店が感染源とみられる。村関係者の話では、5日に飲食店近くの施設で公演が開かれ、村の三役なども出席した。三役らが飲食店に行ったことは確認されていないが、副村長が経路不明のまま感染するなど、行政に影響が出ている。

 村我喜屋区の山内進区長(70)は「区には高齢者も多い。本島のような医療施設もないのに本当に参った」と困惑した様子。村内の60代女性は「村民に気の緩みがあったと思う。小さな島で人の親密さが裏目に出たのかもしれない」と話した。村内の学校に子どもを通わせる保護者は「自分が感染したら子どもだけ島に残すことはできない。どうしたらいいのか」と頭を抱える。

 伊礼幸雄村長は24日、来年1月5日まで島外への渡航自粛を防災無線で呼び掛けた。感染拡大を受けて村は同日、年明けに予定していた成人式や生年祝いなどの中止を決めた。各区の神行事も一般の参加自粛を区長らが呼び掛ける予定だ。