全国高校バスケット 豊見城(男子)2回戦敗退 正智深谷に63‐81 序盤シュート決まらず


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豊見城―正智深谷 左コーナーから3点弾を放つ豊見城主将の知念拓己=25日、東京体育館(日本バスケットボール協会提供)

 バスケットボールの全国高校選手権第3日は25日、東京体育館で行われ、2回戦に臨んだ男子の豊見城は正智深谷(埼玉)に63―81で敗退した。女子3回戦で昭和学院(千葉)が前回準優勝の岐阜女を70―67で破り、8強入りした。2連覇を狙う桜花学園(愛知)は91―54で大阪薫英女学院を下した。新たに選手に新型コロナウイルス感染の疑いがあると判断された男子の実践学園(東京)が2回戦を棄権した。

 悪夢のような10分間だった。試合開始約1分で4点目を挙げた後、第2Q序盤まで豊見城のスコアが完全に凍り付いた。エース渡久地政睦がドライブから相手ディフェンスを引き付けて味方のフリーを演出するが、打てども打てども、ミドルや3点弾が入らない。

 嘉陽宗紀監督の「(点差を離されず)ずっと付いていくことで、相手のシュートにもプレッシャーがかかる」という狙いが崩壊してしまった。初戦同様に渡久地の個人技で状況を打破しようとするが、相手の徹底マークで流れは変わらず。前半終了時点で21点差。「全部後手に回った」(嘉陽監督)と劣勢に陥った。

 しかし、諦めない。29点差まで開いた第3Q開始約3分で、タイムアウトをコール。指揮官がチーム最高身長の津田剛大と渡久地のピック&ロールで「ゴール下から上がってきてスクリーンをかけるようにした」と攻撃に変化を付ける。するとゴール下にスペースが生まれ、一時14点差まで詰め寄った。

 ただ、高さで劣る豊見城にとって生命線とも言える3点弾は最後まで確率が上がらず、成功率が13・3%と低迷。渡久地は26得点を挙げたが「大事な場面で決められなかった」と追い上げムードを醸成できず、終盤で再び突き放された。

 「仲間の信頼を裏切ってしまった。情けない」と目を光らせる渡久地。知念拓己主将は「今回は1回戦を突破できた。来年は8強を目標に頑張ってほしい」と後輩にエールを送った。 (長嶺真輝)

豊見城―正智深谷 渡久地政睦(左から2人目)に対する正智深谷ディフェンスにスクリーンをかける津田剛大(同3人目)(日本バスケットボール協会提供)

唯一フル出場、雪辱誓う ゴール下、体張り続けた津田

チームでただ1人、40分間コートに立ち続けた2年生の津田剛大。190センチ台はチームで一人。ゴール下で体を張り続け、10リバウンド、4スチールを記録した。しかし攻撃は10得点にとどまり、「エース(渡久地)に頼りすぎてしまった」。試合後、大きな体を丸め、泣き崩れた。

 第1Q終盤で味方にスクリーンをかけた際、審判にオフェンスファウルと判断され「自分のプレーに迷いが出た」。消極的になり、味方との合わせが停滞した。来年は最高学年になる。あふれる涙を拭いながら、気丈に語った。「チームのエースとなって、来年もこの場に戻ってきたい」