21点差を追う第3Q最終盤。スリーポイントライン外側でボールを持った岸本隆一が流れるようなステップバックから、この日自身1本目の3点弾を沈める。同時にブザーが響いた。「ほぼ雑念がない」という極度の集中状態で放つ、キングスが誇る“長距離砲”が目覚めた。
第4Qに入ると、中央から2本目。その後は位置も距離もお構いなし。第3Qから続けて5本連続で3点弾を成功させ、残り約7分で11点差まで縮めた。勢いは止まらない。「出ている以上は狙い続けることが仕事」と、その後も3本のスリーを決め、残り3分を切って一時7点差まで詰め寄る原動力となった。
しかし第3Qまでの劣勢を取り返せず、結果は敗北。岸本は「攻撃で仕事ができたらとコートに入ったが、仕事をするのが遅かった」と火が付くタイミングに反省点をつけた。
チーム全体では2メートル超の選手が3人同時にコートに立てる川崎に対し、ゴール下の「ペイントエリア」内の得点で14―48と圧倒された。ガード、フォワード陣も相手ビッグマンをマークする場面が多いため、岸本は次戦に向け「相手にゴールから遠い場所で勝負させる必要がある。一人一人が戦わないといけない」と自らを奮い立たせた。
(長嶺真輝)
◆守備を変えないと
藤田弘輝HC(キングス)の話 ゴール下を支配されたという印象はないが、守備の付き方を変えないといけない。攻撃はジャック・クーリーのインサイド攻撃が少ない時間帯があった。気持ちを落とさずに、積極的に守備から流れをつくれるようにしたい。
◆気合入っていた
佐藤賢次HC(川崎)の話 前回は琉球にホームで2連敗して選手が一番悔しかったと思うので、気合が入っていた。いいディフェンスが何本もあった。最後は相手に勢いを持っていかれたので、課題にして次戦に臨む。勝って対戦成績を2勝2敗にしたい。
プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは26日、沖縄市体育館で、川崎ブレイブサンダース(東地区3位)と今季第24戦を行い、72―80で敗れた。連勝は2でストップし、通算成績は17勝7敗。この日、同じく黒星を喫した西地区1位の三河と勝敗数で並んでいるが、直接対決の結果で2位のまま。次戦も27日午後2時5分から、同体育館で川崎と対戦する。
▽Bリーグ1部(沖縄市体育館、1530人)
川 崎 16勝8敗
80―72(17―13,21―16,26―17,16―26)
キングス 17勝7敗