面の下にマスク、除菌ゲート…全国高校剣道、那覇で熱戦「最後に全力で挑めてうれしい」


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全国高校選抜「高校生想代」剣道大会の開会式に臨む選手ら=27日、那覇市の県立武道館(喜瀬守昭撮影)

 沖縄県那覇市の県立武道館で27日、全国高校選抜「『高校生想代(そうたい)』剣道大会」が始まった。全国から男女合わせて46チームが参加、関係者らも含め700人規模で開催している。大会運営では、新型コロナウイルスの感染症対策に余念がない。入場口には県内初の噴射型除菌ゲートを設置、試合中の選手は防具の下にマスクを着用した。声援に代わり拍手で激励するなど、徹底した対策の下、熱戦が繰り広げられている。

 大会は無観客で開催し、会場内の40カ所に消毒液を設置した。入場者には検温を実施し、選手たちにチェックシートによる健康観察を義務付けた。県立武道館入り口に混合酸化剤MIOX(マイオックス)を噴射するゲートを設け、会場に入る際に体全体の除菌ができるようにした。選手や関係者らはゲートで約5秒間立ち止まり、巻き上がる白霧の中を通過した。

 高校3年間の集大成に挑む、小禄高校3年の伊佐琉生さん(18)は「除菌ゲートの煙にはびっくりした。次々と大会が中止になり目標を見失ったが、最後に全力で試合に挑めてうれしい。これまで支えてくれた先生方に感謝したい」と話した。

 新型コロナの影響で、2020年の剣道の主要な全国大会は中止となった。高校3年生にとって、今回が最初で最後の全国の舞台になる。大会のコロナ対策班として、感染防止策に取り組む佐久間眞之教諭(46)は「生徒の安全を第一に、できる限りの対策を講じている。ウィズコロナの大会運営のモデルケースになってほしい」と期待を寄せる。大会の模様は、動画配信サイト「YouTube」でライブ配信している。
 (高辻浩之)