プロバスケットボールBリーグ1部の琉球ゴールデンキングスは27日、沖縄市体育館で川崎ブレイブサンダースと今季第25戦を行い、72―63で勝利した。通算成績は18勝7敗。西地区1位の三河も白星を挙げ、勝敗数で並んでいるが、直接対決の結果で同地区2位のまま。 (長嶺真輝)
今試合は廃棄物処理・リサイクル業の街クリーンの冠試合として行われ、ハーフタイムショーでは県出身ダンスボーカルグループ「チューニングキャンディー」のライブで会場を盛り上げた。
次節は2021年1月2、3の両日、千葉県の船橋アリーナで千葉ジェッツと対戦する。
試合時間残り約6分、勝負どころがやってきた。キングス7点リード。川崎は4ファウルのエース、ニック・ファジーカスをコートに戻し、2メートル超の選手3人を入れるビッグラインナップを選択する。第1戦から手こずってきた戦略なだけに、藤田弘輝HCも「正直気持ち良くはなかった」と苦々しく振り返る。
ここで存在感を発揮したのが188センチの牧隼利だ。15センチ高い相手にローポストの1対1で体を張る。「一人で守ってやろうという気持ちだった」と腰を据え、簡単に押されない。その隙にキングスのビッグマンがダブルチームを仕掛け、相手の攻撃をつぶした。
ただ川崎も諦めない。インサイドのジャック・クーリー主体の攻撃を読まれ、スチールを連発。残り4分で5点差としぶとさを見せる。ここで再び光を放ったのが牧だ。
守りをきっかけに速攻へ走り、左コーナーでボールを受けると「決めきれる自信があった」と迷わずキャッチ&シュート。苦しい時間帯に3点弾を沈め、ベンチと会場が一気に沸いた。
今季は3点弾の成功率が1割台に落ち込み、平均出場時間が12分ほどにとどまっている牧。「久々にしびれる場面でコートに立てた」と達成感をにじませる。
23歳のチーム最年少ルーキーは「おごることなく、地道に練習を重ねたい」と着実な成長を描く。
▽Bリーグ1部(沖縄市体育館、1501人)
キングス 18勝7敗
72―63(18―20,19―15,17―13,18―15)
川 崎 16勝9敗
【評】川崎との前日の試合から一転し、ゴール下での守備の強度を高めたキングス。インサイドへの攻撃にも積極性が増し、相手ビッグマンをファウルトラブルに陥れる。第3Q終了時点で6点リード。第4Qに川崎が2メートル超の選手を3人コートに立たせたが、フォワード陣が体を張った守備で我慢を続け、逃げ切った。
◆気持ちと努力の勝利
藤田弘輝HC(キングス)の話 選手たちの強い気持ちと努力の勝利だった。それに尽きる。ことし最後の試合。バスケができることに感謝して、会場入りした。やりたいバスケができてきていて、他チームに対応されても、次にどうするか、しっかりステップを踏めている。
◆相手の守備に苦労
佐藤賢次HC(川崎)の話 相手のフィジカルな守備に苦労する試合で、ファウルトラブルで難しい局面もあったが、我慢してつないでいけてはいた。ただ大事な所でのターンオーバーをなくし、シュートを決めないと勝つのは難しい。最後に勝ちきれる力を付けていきたい。