剣道の全国高校選抜「高校生想代」大会最終日は28日、県立武道館アリーナで行われ、男子団体決勝は九州学院(熊本)が1―0で桐蔭学園(神奈川)に勝利し、頂点に立った。女子は筑紫台(福岡)が日吉ケ丘(京都)を2―0で破り、優勝した。女子小禄は準々決勝で守谷(茨城)に1―0で勝ち、4強入りを果たした。準決勝は筑紫台に3―1で敗れた。復活トーナメントでは敢闘賞決定戦で男子小禄が興南との代表戦を制して受賞。女子興南は同決定戦で中京(岐阜)に敗れた。 (謝花史哲)
全員でつないだ「恩返しの1本」
女子小禄にとってかけがえのない大会となった。受験のため剣道から遠ざかっていた3年生3人全員が加わり、一丸で全国の強豪に立ち向かった。準々決勝の名門・守谷との一戦は全員でつないだ勝利だった。
中堅までが引き分ける五分の展開に、副将の又吉可奈子は「いい形で大将に回す」と竹刀を交えた。相手は約10センチ高い。無理に仕掛けず、強打に耐えて少ないチャンスを冷静に待った。
中盤に差し掛かり「攻められっ放しは流れが悪くなる」とタイミングを計っていた小手を見舞った。相手が隅に下がった瞬間に踏み込み面のフェイントを入れ、防御態勢に入って空いた腕を下から払った。1―0の優位な流れに持ち込み、大将戦を引き分けで乗り越えて接戦を制した。
頂点に立つ筑紫台と準決勝で対戦。圧倒されたが、ここでも又吉は一本を奪って見せた。試合前に確認した動画で分析し戦略がうまくいったという。
コロナ禍に苦しめられた中で用意された特別な舞台に又吉は「先生方や先輩たちがいなければこのような経験はできなかった。来年もどうなるか分からないけど、いろんな人たちの思いも背負い、恩返しの気持ちで戦っていきたい」。4強入りの結果を自信に、再び全国の舞台を目指す。
【男子】
▽トーナメント準々決勝
九州学院(熊本) 1―1(代表戦による) 東福岡
明豊(大分) 3―0 奈良大付属
山村学園(埼玉) 2―1 育英(兵庫)
桐蔭学園(神奈川) 4―0 明和(愛知)
▽同準決勝
九州学院 1―0 明豊
桐蔭学園 3―0 山村学園
▽同決勝
九州学院 1―0 桐蔭学園
▽復活トーナメント決勝
小禄 1―1(代表戦による) 興南
【女子】
▽トーナメント準々決勝
日吉ヶ丘(京都) 0―0(代表戦による) 中村学園女子(福岡)
白河(福島) 2―0 樟南(鹿児島)
筑紫台(福岡) 2―0 高山西(岐阜)
小禄 1―0 守谷(茨城)
▽同準決勝
日吉ヶ丘 1―0 白河
筑紫台 3―1 小禄
▽同決勝
筑紫台 2―0 日吉ヶ丘
▽復活トーナメント決勝
中京(岐阜) 2―1 興南