城間幹子那覇市長はこのほど、琉球新報などの新春インタビューに応じた。2020年は新型コロナウイルス対策に力を注いだことを振り返り、21年は「停滞した街づくりを躍動へ」と抱負を語った。
Q:20年はどのような年だったか。21年の展望は。
「20年はコロナ(新型コロナ対策)に始まりコロナに終わった。市民の中にこども食堂や弱者を支援する姿も見られ『市民力』につながると期待している。医療関係者には感謝しかない。21年にワクチン接種が始まると聞いているので、庁内でも準備を始めている」
「コロナの影響で20年度は市税の大幅な減収が見込まれる。財政調整基金を取り崩し、ぎりぎり21年度予算を立てられるという状況だ。(一般財源総額について)前年度比マイナス10%の額を目標に圧縮する。貯金が底をつくのに21年度に盛り返してもらわないと、22年度はさらに厳しくなる。春にはコロナが収束してほしいと願っている」
Q:20年は那覇軍港の返還・移設問題で動きがあった。
「浦添市長にとっては苦渋の決断だったと思うが(県、那覇市、浦添市の)3者が(軍港の配置について)北側案で一致した。一定の着地点を見た」
Q:浦添市長選で浦添移設反対の候補者が当選した場合は、今後の紆余曲折(うよきょくせつ)も予想される。
「3者で合意しているので、また改めて(変わる)というのはちょっと考えにくいが、どうなるのかは分からない。他市の選挙については私が口出しすることではない。移設は県全体の問題なので、那覇が『浦添に移設する』と言ったわけではない」
Q:21年は市制100周年を迎えるが、どのような事業を予定しているか。
「具体的な事業は市民からもアイデアを募集している。那覇文化芸術劇場なはーと(新市民会館)のこけら落としが一番大きいのではないか。那覇大綱挽も(戦後の復活から)50周年なので元気が出る年にしたい」
Q:首里城の再建・復興にどう関わるか。
「世界各国からの義援金15億6200万円余を先日、知事に届けた。多くの方々の思いを正殿再建に向けて乗せていけると感じた。(県の首里城復興基本計画に盛り込まれる)新・首里杜構想による、首里城再建と一体となった街づくりにも積極的に取り組む」
Q:待機児童解消への取り組みは。
「21年度は真和志地区、小禄地区に1カ所ずつ新たな保育施設ができる。器(施設)は増えているが、次の段階が保育士の確保だ。20年度から新卒や勤務満3年、満6年の保育士に祝い金を給付するなど、確保に努めている。待機児童ゼロに向けて年々減らしていきたい」