美里工(男子)、西原(女子) 初戦敗退 春高バレー開幕


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美里工―松阪工 第2セット、レフトからスパイクを打ち込む美里工の饒平名丈衣=5日、東京体育館(謝花史哲撮影)

 バレーボールの第73回全日本高校選手権(春の高校バレー)は5日、東京体育館で開幕した。18年ぶり12度目の出場を果たした男子の美里工は松阪工(三重)と1回戦を行い、0―2でストレート負けした。1セット目は先行されながらも終盤に1点差まで迫ったが、引き離され19―25で落とした。2セット目も攻撃がブロックに何度も阻まれた。2年ぶり9度目の女子西原は札幌山の手(北海道)と戦い、0―2で敗退した。1セット目は22―25と競り合ったが、2セット目はサーブレシーブから崩れ、大量リードを許し、初戦突破できなかった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で高校バレーの本年度唯一の全国大会は無観客での実施。

 エース饒平名、初全国で躍動 古豪の誇り、後輩へ継承 美里工

 3連続得点を許し、マッチポイントに追い込まれた美里工。後衛に回ってもエースの饒平名丈衣は諦めない。セッターの安慶名友也から託されたトスを力いっぱい打ち抜いた。バックアタックはブロックをはじき飛ばしワンタッチアウト。19点目を取り返し、雄たけびを上げた。

 中学時代を含め初の全国の大舞台。饒平名は動じなかった。「まずは相手を崩す攻撃でチャンスボールを待つ」。

 焦点

高い相手に、力任せではなく硬軟織り交ぜて攻撃を組み立てた。何度もブロックに捕まりながらも、フォローに回る味方の援護を信じ打ち続けた。尻上がりに調子を上げ、終盤には高さに負けない力強い攻撃も決めきった。

 しかし松阪工も負けじと192センチのエース中西崇を主体に攻撃を展開。ブロックによる得点を徐々に重ねられる。最後は中西にバックアタックを沈められ、初戦突破を果たせなかった。饒平名は「支えてくれた人たちに恩返しできなかった。後輩たちには、またこの舞台に戻ってきて頑張ってほしい」と悔しさをにじませ、後を託した。

 18年ぶりに春高に戻ってきたことに、嵩元盛頼主将は「バレーが下手な3年生だったけどここまで来られた。少しでもまた美里工業の名前が広まるとうれしい。粘りでは負けていない。次も勝負できる。後輩たちがまたこの舞台に戻ってきた時には応援してほしい」と語り、古豪の誇りを胸に後輩たちのさらなる躍進を期待した。
 (謝花史哲)


 第2セット、リズム崩す 西原 挽回できず、力尽きる

西原―札幌山の手 レフトから強打する西原の村岡琉唯(右)

 1セット目は激しく競り、感触は良かった。しかし第2セットの序盤、札幌山の手の強気のサーブで徐々にリズムが崩れ、4―7から10連続得点を許してしまうと最後まで劣勢を挽回できず。連続得点を食い止めることができなかったのが痛かった。

 1セット目は高さのある攻撃に対しブロックのタイミングを合わせられるようになり、簡単には決めさせなかった。ブロックを抜いてくる長いスパイクにも、距離感を合わせた守りで対策通りに攻撃へと転じ、センターラインも効果的に使った。

 村岡琉唯が相手のブロックに当てて押し込む技ありの攻撃や、体が流れながらも飛びついてのブロックポイントなどで序盤に取られたリードを巻き返す。第1セットは17―18から儀間夏実のサービスエースで同点に追い付く競り合いを見せた。セッターで主将の儀間は「自分たちのリズムで最後まで楽しくバレーができた」と振り返った。

 要所で得点源となった村岡は「2セット目は強いサーブへの対応を修正できず慌ててしまった」と悔やみながら「思い切りプレーできた」とやり遂げた表情を見せた。