コロナ給付金詐欺容疑の税理士、当初から捜査線に浮上 大量の申請取り扱い


コロナ給付金詐欺容疑の税理士、当初から捜査線に浮上 大量の申請取り扱い
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 沖縄県内の持続化給付金の詐欺事件で、全国で初めて現職税理士が逮捕された。大量の給付金申請を取り扱っていた税理士の容疑者は、当初から県警の捜査線上に浮上していた。これまでの逮捕者はすべて、この税理士の事務所を介した不正受給だった。県警は3回にわたって同事務所の家宅捜索を実施した。

 給付金の不正受給に関して、一定の組織性や悪質性のある犯行について、県警は今後も立件する方針。背後に反社会的勢力の関与がないかなども、引き続き捜査を進める。

 不正受給で県内初の逮捕者となったのは、沖縄タイムス元社員の被告の男(45)だった。税理士の容疑者の事務所3階で、申請代行をしていた被告の男(54)らから助言を受けて、不正受給に及んだ。同僚や知人などにも勧誘し、最終的に40人以上が不正受給に関与した可能性があるという。詐欺容疑で逮捕・起訴された元モデルの被告の女(36)は同事務所で勤務経験があり、親族や知人に不正受給を勧誘・紹介した。共に犯行に一定の組織性が見いだされた。

 一方で税理士の容疑者は申請に関連し、大量の確定申告などを行ったことは本紙の取材に認めているが、不正への関与は一貫して否定してきた。県警が税理士の容疑者の犯意をどこまで立証できるかが今後の焦点となりそうだ。