岸防衛相、米軍機の慶良間訓練を容認 低空飛行との見方も否定 米軍には「影響最小限に」要請


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低空飛行する米軍機とみられる機体=12月28日午後、座間味村阿真の神の浜展望台(宮平譲治さん撮影)

 【東京】岸信夫防衛相は8日の閣議後会見で、米軍が慶良間諸島周辺で行った飛行訓練について「パイロットの技能の維持向上を図る上で必要不可欠な要素であり、日米安保条約の目的達成のための重要な訓練だ」と述べ、訓練内容を容認する考えを示した。また防衛省は「一般論として」米軍が訓練区域外で飛行訓練を行うことは認められているとの認識を改めて示した。

 岸氏は米軍が昨年12月28、29日と今年1月6日に慶良間諸島周辺で米軍機による飛行訓練が行われたことを認め、「日米間の関係合意や規則に基づき行われた」と米軍から説明を受けたとした。こうした内容の説明を受けたことから、低空飛行との見方には否定的な見解を示した。

 地元から不安の声が上がっていることには、米側に対し「航空機の運用に当たっては日米合意を順守するとともに、周辺住民に与える影響を最小限にとどめるよう申し入れた」と述べた。

 沖縄防衛局が米側に事実関係を確認したところ、昨年12月28日に2機、同29日に4機、今月6日に5機のMC130J特殊作戦機による編隊飛行が行われた。

 外務省沖縄事務所は8日、本紙の取材に対し、訓練空域の外での訓練飛行を容認する理由について「日米地位協定の特定の条項に明記されているからではない。日米安保条約の目的達成のために米軍の日本駐留を認めている。軍隊の活動を行うことは当然の前提だ」と説明した。

 一方で「全く自由に飛んでいいという訳ではなく、地位協定16条で日本の国内法を尊重する義務は負っている。訓練の際には安全が確保される必要がある」と強調した。

記者会見する岸信夫防衛相=8日午後、防衛省