浦添市・仲西中が渡嘉敷島で修学旅行 慶良間の沖縄戦学ぶ 自然体験も


この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子
平和学習でガイドの講演に聞き入る仲西中学校2年生ら=12月16日、国立沖縄青少年交流の家講堂

 【渡嘉敷】浦添市立仲西中(神谷加代子校長)の2年生307人、教員22人が12月15日から2泊3日、修学旅行で渡嘉敷村を訪れ、国立沖縄青少年交流の家をメインにさまざまな自然体験、交流活動などをした。日程の中に地元の平和ガイド米田英明さんを講師に招き平和学習も行った。

 平和学習で米田さんは「慶良間諸島の沖縄戦」と題し講演した。太平洋戦争末期の1945年3月26日に米軍が座間味村に上陸して沖縄戦が始まり「28日には渡嘉敷村にも上陸し多くの血が流された島として歴史に刻まれている」と話した。

 米軍に追い詰められた日本軍315人は渡嘉敷島の北山(にしやま)に移動し避難用の本部壕を構築し、本部壕の近くに住民の集合を命じたことを説明した。その際、日本軍から各世帯に配られた手りゅう弾で家族同士が「集団自決」(強制集団死)を図った。中には手りゅう弾が不発となり、小銃、かま、くわ、カミソリ、石、棒などで身内、親戚らを殺し合った。住民330人が自ら命を絶ったという。また、ガイド自身の母親の自決体験も話した。

 生徒らは野外炊飯(カレー作り)海洋研修(カヌー漕(こ)ぎなど)も体験した。波平芽依さん(14)は「島の悲惨な戦争の歴史を学び、平和の大切さや命の尊さを新たに理解できた」。崎山喜人さん(14)は「海の美しさに感動した」と感想を話した。