北中城小出身の崎濱 全国バスケで躍動 強豪・西福岡中 1試合で27得点


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第1回全国U15選手権。鋭いドリブルからレイアップシュートを放つ西福岡の崎濱秀斗=5日、東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ(日本バスケットボール協会提供)

 東京で7日まで行われたバスケットボールの第1回全国U15選手権(ジュニアウインターカップ2020―21)で存在感を示した県勢選手がいた。最近10年の全国中学校大会で優勝2回、準優勝3回の強豪・西福岡中(今大会にはクラブ形態の西福岡REBIRTHで出場)でエースガードを張った3年の崎濱秀斗(15)=北中城小出=だ。2回戦で大会準優勝チームに敗れたが、この試合は1人で27点を挙げる活躍。176センチと強豪の中では小柄ながら、類いまれなスピードとパスセンスを武器に高校でさらなる飛躍を誓う。

 沖縄市出身。3年連続で全国高校選手権に出場している西原高女子監督の秀勝さんを父に持ち、小学3年でバスケを始めた。コザ中に進学したが、同校を強豪に押し上げた松島良和コーチ(故人)が1年時に男子の指導から退いたため「強いところでバスケがしたい」と2年の2学期に西福岡中へ転校した。

 公立中ながら、有望選手が全国から集まる強豪校でもまれ「よりスピードがついた」という。仲間の技術を参考に、パスセンスやシュート力を磨いた。多くのプロ選手を育てた鶴我隆博監督の下、「常に粘り強さを大事にする」というチームで気持ちの強さを養った。秀勝さんも「回りのサポートをするタイプだったが、今は『自分がやる』という気持ちが見える」と精神面の成長に目を見張る。

 中学最後の大会となった全国U15選手権でその成果が如実に表れた。大所帯のチームで1回戦から先発ガードを務め、12得点、4アシストを記録し、初戦を突破した。

 ハイライトは2回戦。「普段はそこまで自分から攻めない」と言うが、得点源の1人がファウルトラブルに陥り「自分から点を取りにいった」。ドライブからのフローターや3点弾、インサイドへの鋭いパスなど多彩に攻め、チームトップの27得点、2アシストでけん引。最大13点差をはねのけ、第4クオーターでは自身の3点弾で一時逆転した。敗れはしたが、西福岡で「バスケでも生活面でも成長できた」と心身ともに充実ぶりをうかがわせる。

 高校2年の兄・秀真が通う福岡第一高への進学を目指す。昨年末の全国高校選手権では3連覇を逃したが、堅守速攻を武器とした強さは健在だ。小学6年の時にテレビで同校の試合を見て、強さに魅了され「入るのが夢だった」という。中学で果たせなかった全国制覇に向け「シュート力を上げ、スピードを磨き、まずはメンバー争いに勝つ。チームに貢献できる選手になりたい」。これからもハイレベルな環境を求め、自分磨きを続けていく。
 (長嶺真輝)