沖縄県那覇市立与儀小4年の宇良心月(みづき)さん(10)が6日、けがをして歩道でうずくまっていた高齢男性を救護した。宇良さんは周囲の大人と連携しながら男性の病院搬送をサポートし、勇気ある行動が学校内に感動の輪を広げている。
6日午後5時半ごろ、宇良さんは那覇市の赤十字病院裏手の歩道で男性がうずくまっていることに気付いた。男性はまぶたから流血しており、すぐに「大丈夫ですか」と声を掛けた。現場をバイクで通りかかった薮内三千代さん(43)に「おじいさんを見ていてください」と依頼すると、止血用のティッシュペーパーをもらうため、近くの薬局へ走った。
その後、薬局の職員も駆け付けて男性の救護を手伝った。騒動に気付いた赤十字病院の看護師が車いすを持って現れ、男性は無事に病院へ運ばれたという。宇良さんが通う与儀小は、薮内さんからの連絡で7日に一連の出来事を知った。学校側は同日の給食時間に、校内放送で宇良さんの行動を紹介した。同級生からは大きな拍手が送られた。
宇良さんは本紙の取材に「緊張せずに行動できた。当たり前のことだと思って一生懸命だった」と笑顔を見せた。同校の喜屋武真史教頭は「コロナで暗い話題が多い中、学校全体に明るいニュースを届けてくれた。素晴らしい行動だ」と目を細めた。