沖縄最大の物流倉庫、22年に豊見城に 13社が入居可能 大和ハウス開発


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マルチテナント型物流施設の完成予想図(大和ハウス工業提供)

 大和ハウス工業(大阪市、芳井敬一社長)は12日、豊見城市与根のゴルフ場跡地に、複数の企業が同居するマルチテナント型物流倉庫施設2棟を開発すると発表した。延べ床面積は計12万3千平方メートルで、県内最大の物流施設となる。最大13社の入居が可能。2月1日に着工し、2022年3月の完成を予定する。

 同社の浦川竜哉取締役常務執行役員は「沖縄は小売りの需要も人口も伸び、ASEAN地域とも立地的に近い。物流に重要な地域で、手応えがある」と話す。既に入居を希望する国内大手メーカーなどから、問い合わせがあるという。

 施設は「DPL沖縄豊見城」が2階建てで延べ床面積4万平方メートル、「DPL沖縄豊見城Ⅱ」が3階建てで8万3千平方メートル。コールドチェーンに必要な品質や衛生管理に対応できるよう、冷凍、冷蔵、定温(15~20度)、常温の四つの温度帯を設ける。施設内には保育所を併設し、テナント企業の職場環境整備にも取り組む。12日に、地鎮祭と記者会見が開かれた。

 大和ハウス工業は20年に、特定企業の専用物流施設(延べ床面積は約1万7千平方メートル)を浦添市に整備している。今回の整備で、同社が県内で作る物流施設は計3棟となる。

 豊見城市与根の建設地は、区画整理事業で新産業拠点地区として整備された。那覇空港や那覇港浦添埠頭(ふとう)、那覇空港自動車道「豊見城・名嘉地インターチェンジ」などに近接したアクセスの良さがあり、配送や労働力確保に優位な立地にあるとする。

 浦川氏は「(大和ハウス工業は)ベトナムやインドネシアでも工業施設を手掛けている。沖縄は中継的な立地にある。ASEAN進出を目指す企業にも声を掛けたい」と話した。