教員や保育士と園児との関わりを「指標」に 琉大研究員が開発「メンタルヘルス改善につなげて」


社会
この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子
荘季静客員研究員

 教員や保育士と園児の交流の質を高めようと、学校心理士の資格を持つ琉球大学教育学部の荘季静(ちゃんちーちん)客員研究員は「学級観察指標」の開発に取り組んでいる。指標を通して園児との関わり方が健康診断の結果のように数値化され、改善点の可視化や指導の指針にもなるという。園長など管理者が教員を客観的に評価することにもつながる。

 観察指標では、園児の特定の行動(攻撃的、非参加的など)や教員らの関わり方を数値化する。例えば、園児の攻撃的な行動に対して教員が体罰で対処した場合は、数値が低くなり、「発熱状態」の要注意と判断される。園児は、小学生以上の子どもと比較し、勉強に対するストレスが少ないため、教員との関係による心的な影響を観察しやすいという。

 荘さんは「日本の教員らは長時間労働の上、子どもとの関わり方に悩みを抱えている。観察指標を通して、園児との関わり方を客観的に分析して質を高め、教員のメンタルヘルス改善にもつなげてほしい」と話す。

 荘さんは台湾出身で、米ミズーリ大学で博士号を取得、沖縄科学技術大学院大学(OIST)にも勤務していた。現在、観察指標を試験的に活用する県内の幼稚
園や保育園を募集している。研究の詳細や連絡先は、琉球大学教育学部の大学院生、浦内桜さんのメールアドレスk208263@eve.u-ryukyu.ac.jp
 (呉俐君)