10年後の嘉手納どうなってほしい? ユーチューバーが町議候補者に直撃!動画で発信


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 【嘉手納】若者よ、投票に行こう―。17日投開票の嘉手納町議会議員選挙を前に、町出身のユーチューバー「アニメンタル」こと比嘉誠さん(33)=町水釜=が各立候補者に直撃インタビューし、施策や議員活動に対する思いを聞き出す動画を制作した。「自分の町ってどんなところ? 選挙って何? そんな思いを抱えるユーチューブ世代は多い。動画をきっかけに選挙に関心を持ってもらえれば」。比嘉さんは、自身も学びながら情報を発信していきたいと意気込む。

幼なじみの佐次田禎さん(左)が回すカメラに向かい、軽妙なトークを繰り広げるユーチューバーの比嘉誠さん=13日、嘉手納町の道の駅かでな

 生まれも育ちも嘉手納町の比嘉さん。これまでも選挙の度に投票はしていたものの、「候補者の施策や思いに賛同してというより、何となく1票を投じていた」と振り返る。

 「大人になってもワクワクし続けたい」との思いで、土木業からユーチューバーに“転職”したのは2020年1月。昨年1年間に制作した動画60本の大半が面白い物や人の紹介、体当たりシリーズなどエンターテインメント性を追求したものだった。

 だが、撮影を通して今まで関わることのなかった世代や業界の人など、垣根を越え人脈が広がる楽しさを知った。

 そんな折、地元嘉手納町で町議選が始まった。「政治を志す人たちの思いを聞いてみたい」と「いちかばちか」で候補者全18人の事務所を直撃し、インタビューを申し込んだ。質問は(1)10年後の町はどうなっていてほしいか(2)町の子どもや若者にどんな大人になってほしいか(3)一つだけ好き勝手できる政策があれば何をしたいか―の三つ。多忙や報道機関以外の取材を受けることをためらい、断わる候補者もいたが、比嘉さんは「チラシや演説では分からない一人一人の思いや施策をじかに聞くことができ、候補者選びの参考になった」と手応えを感じたという。

 「若者に関心を持ってもらうなら、ユーチューブを使わない手はない。4年後は選挙活動の新しい常識になっているかもしれませんよ」。比嘉さんはユーチューブの新たな可能性に期待を寄せる。

(当銘千絵)