太陽光と蓄電池、無償設置 4月から 沖電が新サービス 大手電初、再エネ拡大図る


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太陽光発電設備と蓄電池の無償設置サービス「かりーるーふ」の開始を発表する沖縄電力の島袋清人副社長(左)と沖縄新エネ開発の久貝博康社長(右)=22日、那覇市

 沖縄電力(本永浩之社長)は22日、顧客の住宅に太陽光発電設備と蓄電池を無償で設置し、発電した電気を販売する新サービス「かりーるーふ」を、4月から沖縄本島エリアで開始すると発表した。沖電は2050年までに二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにする目標を打ち出しており、再生可能エネルギーによる自家消費の拡大を図る。沖電によると、蓄電池の無償設置まで含めた太陽光発電の第三者所有サービスは国内大手電力会社グループでは初めて。

 グループ会社の沖縄新エネ開発が、顧客の住宅に太陽光発電パネルや蓄電池を無償で設置し、メンテナンスや修理費用も同社が負担する。発電した電気で住宅の電力需要を賄う。単価は通常の電気料金よりも安く、再エネ賦課金が課せられないこともあり、割安な価格で供給される。

 初年度は200件程度の設置を計画している。

 太陽光発電で電気が足りない場合にも、沖縄電力から通常通り電力が供給されるため、停電することはない。災害などで沖縄電力の系統からの供給が止まった場合でも、蓄電池の非常用コンセントを使うことで冷蔵庫や携帯電話の充電など、2日以上電気を使えるという。

 沖電の試算では、電気とガスを併用して年間光熱費が約20万円の4人世帯の場合、かりーるーふとオール電化を組み合わせることで年間約5万円(25%)の削減が見込める。オール電化にしない場合でも、3~5%程度の割安になる計算という。

 太陽光発電設備は6.6キロワットを標準とし、設置に必要な屋根の面積は約35平方メートル。蓄電池の容量は4.5キロワット時。

 沖電はCO2排出の実質ゼロに向けて、2030年までに再エネ導入量を10万キロワット増加を目指している。うち5万キロワットは、今回の太陽光発電設備の第三者所有方式によって導入する計画で、今後は自治体の庁舎や学校、事業所などへの展開を検討している。

 島袋清人副社長は「CO2排出実質ゼロに向けて、再エネの主力化を進めていきたい」と話した。

 3月末まで、事前申し込み(50件)を受け付ける。問い合わせは沖縄新エネ開発の事務局(電話)098(923)2477。