【糸満】糸満市摩文仁の黎明の塔周辺で19、20の両日、沖縄戦で亡くなった日本兵とみられる遺骨と遺品が見つかった。発見したのは遺骨収集作業をしていたNPO法人沖縄鍾乳洞協会理事の松永光雄さん(67)と有志数人。遺骨と同じ場所には砲弾の破片も多数落ちていた。破片はずしりと重くさびていて、作業員の男性は「この砲弾を受けて亡くなった可能性がある。無念だっただろう」とけわしい表情で話した。
遺骨は脊髄や喉仏、あばら骨や頭骨などが見つかった。近くに防毒マスクのレンズや不凍液、日本兵が使用していたとされる靴底などがあったことから、遺骨は日本兵と推測される。数メートル離れた場所には不発弾も数発あった。松永さんは「まだ多くの遺骨が残っている。一つでも多く見つけ出してあげたい」と話した。
遺骨収集作業が進められた辺り一帯は、ビニール袋や空き缶などのごみが散乱していた。松永さんは「ごみがあまりにも多くて、遺骨収集作業に支障をきたしている」として、行政主導による早急なごみの撤去を訴えている。