第42回遠藤石村賞、琉球俳壇賞、琉球歌壇賞(琉球新報社主催)の選考会が30日までに那覇市泉崎の琉球新報社で開かれた。過去の俳壇賞受賞者の中から俳句界の向上に寄与した人に贈られる遠藤石村賞は、前原啓子さん(78)=中城村=に決まった。俳壇賞に中本清さん(73)=那覇市、歌壇賞に仲本恵子さん(68)=那覇市=が選ばれた。
俳壇、歌壇賞は琉球新報文化面に掲載している「琉球俳壇」「琉球歌壇」の投稿者が対象。2020年を通して作品を毎月投稿した人の中から、上位入賞の実績などを基に選ばれた。
前原さんは「俳句の要である季語の持つ力を、もっと追求したい」、中本さんは「俳句関係の受賞は初めて。句会のメンバーに感謝したい」、仲本さんは「読み手に伝わる、柔らかい言葉を増やしていきたい」とそれぞれ喜びを語った。
俳壇賞・石村賞は太田幸子さんとたみなと光さん、歌壇賞は屋良健一郎さんが選考委員を務めた。太田さんは前原さんについて「沖縄の風土など、深い洞察と豊かな感性で俳句を詠んでいる」、中本さんの俳句について「素直な句眼ながら、みずみずしい躍動感がある」と評した。屋良さんは仲本さんについて「ユーモラスな歌や独特な比喩を用いた歌があり、表現への挑戦を感じた」と選考理由を述べた。
石村賞・俳壇賞・歌壇賞と琉球新報短編小説賞を合わせた琉球新報文学三賞の贈呈式は、2月6日に開催予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、3月に延期する。