美術の新鋭作家や団体を表彰し助成する「第31回タカシマヤ文化基金」で、新鋭作家を対象とする「タカシマヤ美術賞」に沖縄県出身の美術家・映像作家の山城知佳子さん(44)が選ばれた。那覇市の壺屋焼の製陶所で修業し、現在は茨城県を拠点に陶芸を制作する五味謙二さん=長野県出身=も同賞に選ばれた。それぞれ助成金200万円が支給される。同基金を設立した大手百貨店「高島屋」が2日までにホームページなどで発表した。
タカシマヤ美術賞は、作家の活動歴や将来性を基準に選ぶ。山城さんは写真、映像、パフォーマンスなどの手法で米軍基地や戦争など沖縄におけるさまざまな問題を表現してきた活動が評価された。
山城さんは「美術界の大御所の方々が何年もかけて作品や活動を見て、選んでいただいた。発表した作品が届いているということだと思う」と喜んだ。「テーマを沖縄だけに固執すると『自分には関係ない』と感じる人も出てくるが、作品自体が面白ければ見てもらえる」と語った。
そのほか、タカシマヤ美術賞には中谷ミチコさん(彫刻)も選ばれた。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため1月下旬に予定していた贈呈式は中止した。