「失語症者は話したい」当事者が症状語る 県イベント


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ
失語症の理解を深めようと当事者や言語聴覚士らが参加した県のイベント=6日午後、浦添市産業振興センター結の街

 失語症に関する理解を深める県のイベント「失語症ってご存知ですか?~失語症者と話してみよう~」が6日、浦添市産業振興センター結の街で開催された。失語症者2人が自身の経験を振り返り、話したくてもうまく話せない症状などを語った。

 失語症は脳卒中などが原因で話す、聞く、読む、書くといった言語機能がうまく働かなくなる症状で、日本に20~30万人程度いるとされる。沖縄市の名嘉眞初美さん(66)と那覇市の新垣昌男さん(66)の2人が当事者として登壇し経験を語った。

 10年前に失語症になった名嘉眞さんは、困っていることを問われ「うまく言えないんですよ。よくなってきていると思う」と答えた。 2013年に発症した新垣さんは、突然半身不随になり「やけになって自殺も考えた」と明かした。その後、徐々に身体機能と言語能力が回復し、ダイビングにも挑戦したという。「失語症者は話がしたいんです。コミュニケーションが取りたいと思っているんです。家族は毎日の介護が大変だと思うが、何でもいいから話し掛けてください」と訴えた。

 南風原町で失語症者のデイサービスを営む言語聴覚士の久場範子さん(43)が症状の特徴などを解説したほか、18年に解散した県失語症友の会(ゆんたく会)で事務局長だった大城貴代子さん(81)が、失語症の夫を14年間介護した経験や支援活動を振り返った。