コロナ対策に注力 沖縄県21年度予算 知事公約事業も反映


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沖縄県庁

 新型コロナウイルス感染症の影響で、県経済の先行きが見通せない状況が続いている中、県の2021年度一般会計当初予算案は過去最大の7912億円台となった。県は新型コロナ感染症関連事業に全体の1割近い約752億円を計上するなど、コロナ対応に注力する方針だ。

 同時に玉城デニー知事のカラーも一定程度出した予算案となっている。玉城知事の公約を反映した22の新規事業が来年度から始まる予定だ。新型コロナ対策と経済支援がどうしても予算案の中心となる中で「知事の公約も盛り込まれた予算案だ」と県の担当者は説明する。

 だがこの予算案が発表された8日、玉城知事が自ら予算案を決めた理由や事業を説明することはなく、コメントを発表することもなかった。知事の考えがどのように施策に反映されたのか、県民に知らせる姿勢は見られなかった。

 特に本年度は県民がさまざまな場面で新型コロナに苦しんだだけに、来年度1年間の県の方針を決める予算案については、例年よりも丁寧な説明が必要だったはずだ。

 コロナ対策や経済支援のほかにも県には来年度、大きな仕事が待っている。22年度からの開始を目指す、新たな沖縄振興計画の策定作業だ。

 予算案同様、振興計画にも玉城知事の考えが反映される。どのようなビジョンを描いて計画を定めるのか。県の今後について玉城知事は、県民の知る権利にしっかりと応える責務がある。 (西銘研志郎)