紅芋だけじゃない山芋も特産に!読谷で地域の女性たちがPR 料理コンテストに重量勝負


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渡慶次自治会の山いもスーブ予選大会で総重量154・4キロの山いもを掘り上げた島袋孝子さん(左端)ら読谷村商工会女性部のメンバー=12月20日、読谷村渡慶次

 【読谷】山芋を読谷村の新たな特産品に―。健康や美容にも良いとされる山芋の魅力を知ってもらい、可能性を広げていこうと、村商工会女性部(島袋孝子部長)が奮闘している。昨年2月の県商工会女性部主張発表大会で発表し、村女性部の取り組み「山芋を通した地域連携ネットワークづくり」は、県知事賞も受賞した。

 毎年12月に自治会対抗で盛大に開催される山芋スーブチャンピオン大会があるなど、村全域で生産が盛んな山芋。だが、残念ながら各家庭で使い切れず余らせるのが現状だ。「山芋づくりはおじーのロマン、おばーの不満」。島袋部長によると、そんな冗談があるほどという。

 「この山芋をどうにか有効活用したい」。そんな思いを強くした女性部は2019年、新しい地域の郷土料理や特産品の開発につなげることを目的に、村民参加型の山芋料理コンテストを開催した。初めての大会にもかかわらず23品の応募があり、盛り上がりを見せた。20年は新型コロナウイルスの影響で開催は見送られたが、商工会のホームページに写真付きで受賞作品を公開したり、スーブ大会でレシピを配布したりするなど、多角的に活用法を提案している。

 料理コンテストを機に愛好家らに声を掛けられ、有志のメンバーで実際に山芋づくりへの挑戦も始めた。1年目は重量29キロに終わったが、畑を見掛けた先輩らが、業界では秘密にすることの多い肥料や育て方のこつなどをこっそり教えてくれることも。20年12月27日に開催されたスーブチャンピオン大会では1株の総重量が154・4キロある山芋を出品し、自治会対抗の団体部門に貢献した。

 部員の宮里亜弓さん=村瀬名波=は「普段は事務員だが、土いじりが本当に楽しい。改めて山芋を育てる楽しさ、食べる楽しさを知った」と満面の笑みを浮かべた。

 「愛情を与えた分、山芋は応えてくれる」と、着実に手応えを感じている島袋部長。今後も女性部として山芋づくりに挑戦しつつ、目標はコンテストの受賞料理が村内の学校給食で子どもたちに振る舞われることだ。また山芋月間を設け、飲食店で味わうことができる仕組みづくりをしていくことも目指すという。その上で「山芋を通して読谷村のPRにもつなげたい」と前を見据えた。 (当銘千絵)