東恩納寛惇賞に比屋根照夫氏 近現代沖縄の思想研究


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
比屋根照夫氏

 沖縄研究の先駆者、東恩納寛惇の功績をたたえ、沖縄を対象とした研究の発展に顕著な功績を挙げた研究者に贈る第38回東恩納寛惇賞(琉球新報社主催、第一書房後援)に、琉球大学名誉教授の比屋根照夫氏(81)=浦添市=が決まった。専門は沖縄近現代思想史、言論史。伊波普猷ら近代沖縄の知識人や戦後沖縄の思想と言論に関する研究、さらには自由民権思想と沖縄との関係など、多岐にわたる重要な研究業績が評価された。

 比屋根氏は名古屋市生まれ、旧美里村(現沖縄市)育ち。琉球大卒業後、琉球新報記者や東京教育大大学院博士課程などを経て、1974年に琉球大教養部助教授、81年から2005年まで同大教授を務めた。1984年に伊波普猷賞、87年に沖縄協会賞を受賞。インドネシア大客員教授やシカゴ大東アジアセンター客員研究員なども務めた。

 選考会は5日、琉球新報社でオンラインを交えて開かれた。選考委員は赤嶺政信琉球大名誉教授、豊見山和行琉球大教授、田里修沖縄大名誉教授、赤嶺守名桜大大学院教授、上原靜沖縄国際大教授。贈呈式は3月19日午後6時から那覇市泉崎の琉球新報ホールで開催する。新型コロナウイルス感染防止のため、来場は招待者に限定する。