沖縄戦体験者の声、朗読で紡ぐ 劇団ビーチロックが愛楽園で朗読劇をライブ配信


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朗読劇で沖縄戦体験者らの証言を朗読する劇団ビーチロックのメンバーら=1月31日、名護市の沖縄愛楽園交流会館

 【名護】ハンセン病に関する問題を伝える名護市済井出の沖縄愛楽園交流会館で1月31日、市内を拠点に活動する劇団ビーチロックによる沖縄戦体験者らの証言を基にした朗読劇が開かれた。劇は新型コロナ感染拡大防止のため無観客で行い、動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」でライブ配信された。

 朗読劇は、同交流会館で昨年11月から始まった写真と布染の展示会「沖縄の傷痕―記憶の森へ」の会場で開かれた。

 展示会は、写真家勇崎哲史さんの戦跡の写真と染色家平井真人さんの作品を組み合わせた。展示されている写真が撮影された戦跡内で体験した人々の証言を、20~30代の団員らが中心となり朗読した。

 発表された10件の証言は、県内各地で戦争に動員された元学徒や住民の体験のほか、愛楽園入所者が園内にある「早田壕」について語ったものもあり、戦時中の園内の様子も語られた。

 朗読した大嶺佳奈さん(22)は「体験者の見た風景や景色を想像しながら、その様子を伝えられるように心掛けた」と話した。

 劇の代表を務めた片山英紀さん(31)は「実際に戦争を体験したことのない世代だが、体験者の声を紡ぐことはできる。伝えていくことが大事だ」と語った。

 交流会館は県の緊急事態宣言中は臨時休館となっているが、展示会を27日まで延期している。ライブ配信された朗読劇は、同会館のYouTubeチャンネルで視聴できる。