沖縄県那覇市は開会中の市議会2月定例会に「同市動物の愛護および管理に関する条例」を提案している。市や市民、飼い主らの責務や飼い主の順守事項などを定めている。6月1日の施行を予定している。同市によると、県内で犬などの管理に関する条例はこれまでもあったが、動物愛護管理法に基づきペットや家畜など愛護動物全体の管理について定めた条例は初めて。
条例案では、飼い主の責務として終生飼育や繁殖防止、所有者の明示に努めることを定めた。特に猫については屋内飼育に努めるよう定め、所有者の分からない猫に餌を与える者は「繁殖を防ぎ、住民の理解を得るよう努めなければならない」としている。飼い犬に関する市の命令に従わない者に対する罰金は、従来の市飼い犬条例より強化した。
那覇市では放し飼いなどによる犬や猫の収容件数は減少傾向にあるが、犬や猫に関する苦情・相談は毎年千件以上あるという。こうした課題や、昨年6月に改正施行された動物愛護法で中核市に動物愛護管理担当職員を置くと定められたことに対応し提案した。市は条例を通し「人と動物の調和がとれた共生社会の実現に寄与する」としている。