コロナ禍の「学校に行きたくない」に親はどうする? オンラインでゆんたくサロン


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 本紙連載の漫画「ひなとかのんのおひさま日記」作者の森山和泉さんと福祉のプロたちが一般参加者と子育ての泣き笑いを語り合う「凸凹ゆんたくサロン」(凸凹ゆんたくサロン、琉球新報社共催)は1月30日、「コロナで子どもが学校を行き渋ったんですけど、どうしましょう・どうしてますか。坂本将吏さんに聞いてみようの巻」をオンラインで開いた。不登校や引きこもりの若者支援を続ける坂本さんがメーン話者となり、放課後等デイサービスIMUA(沖縄市)の山城健児さんと森山さんが自身の経験や発達障がいの視点を織り交ぜて対話を深めた。「おひさま日記」の愛読者や子育て中の保護者など約20人が参加し、トークやチャットで質問や感想を寄せながら濃厚な2時間を過ごした。

 森山さんは冒頭「これといった答えは出せないが、いろいろな見方を知ることで親子とも楽になれるのではと思う」と切り出した。

実子の登校しぶりの体験を話す坂本将吏さん

 坂本さんは昨秋、小学生の息子が学校に行きたくないと言い出し「不登校の支援をしている自分の子が、と戸惑った」と打ち明けた。コロナ禍では休校が多く、軽い風邪症状でも欠席を勧められるなど、登校のリズムが作りにくくなったことを指摘し「家の中で過ごすことが増えて体の使い方も変わった」と影響の広がりを懸念した。

 朝に「行きたくない」と言い出した子どもと「どうしようか」と1時間ほど話し合ったという坂本さんに、参加者からは「すてきだと思うが、時間に追われてゆっくり話ができない」というコメントも。坂本さんは「『子どもが行き渋って遅刻した』とは言いづらく、職場など周囲の大人の理解がないとできない」と思いを寄せた。

「かっこ悪い自分を出せる場があれば楽になれる」と話す森山和泉さん

 森山さんも娘が小学校で不登校になった。中学に上がり、作文に「困らせてごめんね」と書いたという。「家にいてもいいと肯定して育てたはずだが、子どもはごめんねと思っていた。思い出しても泣けてくる。子どものこんな思いを大人は想像し、寄り添えているか」と投げ掛けた。

 また「これだけ多くの子が学校に行きたくないと思っている。特性や障がいを含めて千差万別の子どもを受け入れるよう、学校や周囲の環境を変えていく必要がある」と指摘。同時に「子どもが学校に行けず悩む親のサポートは子どもと同等かそれ以上に重要」「近所の美容室や商店など、先生の代わりに話をしてくれる人生の先輩がいれば、学校に行くのと同じくらい価値がある」とした。

「本人が動き出すのを周囲は我慢して待つ」と話す山城健児さん

 人との関わりを嫌がり、外に出ないケースについて参加者から質問され、山城さんは「まず嫌だという本人の気持ちを受け取る。周囲があれこれ勧めても本人が乗らなければどうしようもない。小さいものかもしれないが、本人が自発的に行動し始める『芽』を待つ」と答えた。小中学校にはほとんど行かなかったが、徐々に自分の好きな活動に参加するようになり、通信制高校を出て社会人として活躍している若者の例を挙げ「人生は社会に出てからの方が長い。学校以外の居場所がとても大事だ」と話した。

次回は「発達障がい『あるある』大辞典~ほんとにそれでいいのの巻」を27日午後7時半から開く。申し込みは26日までにこちらから。 問い合わせはメールdekobokoyuntaku@gmail.com