譲渡犬猫に登録チップ 県、殺処分削減へ 来年度から、避妊助成も


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 県動物愛護管理センター(南城市)は来年度から、保護した犬や猫をボランティア団体に譲渡する際に、体内にマイクロチップ(MC)を装着する。譲渡した犬や猫が新たな飼い主の下で再び迷子になった際や遺棄された際に、飼い主が分かるようにし、殺処分の削減につなげたい考え。

 動物愛護法の改正で、ペットショップが販売する犬や猫は来年6月からMCの装着が義務化される。一方、愛護管理センターでは現在、原則として譲渡する犬や猫へのMC装着はしていない。センターは年間譲渡数の半分以上を占めるボランティア団体に譲渡する際のMC装着を進めることで、新たな飼い主による終生飼養を推進し、飼い主の飼養責任も明確にしたい考え。センターが個人に直接譲渡する場合も装着するか検討している。

 MCは直径2ミリ、長さ約1センチ。15桁の番号情報が組み込まれている。犬や猫の体内に装着したMCの情報を読み込めば、登録した飼い主などの情報が分かる。

 また愛護管理センターは来年度から、保護した犬や猫をボランティア団体に譲渡した後に、譲渡犬や譲渡猫が動物病院で受ける避妊手術の費用を助成する仕組みも導入する。これにより、新たな飼い主が見つかりやすくなることが見込まれるという。現在はセンター自らが手術する場合もあるが、対応できる数に限りがあり、動物病院での手術に助成することにした。

 NPO法人どうぶつたちの病院沖縄の金城道男副理事長は「いい取り組みだと思う。飼い主に飼育の責任を自覚してもらうことは非常に重要だ」と評価した。世界自然遺産登録を目指すやんばる地域で、野生化したノネコやノイヌが希少動物を捕食する問題を挙げ「ぜひ適正飼育を広める機会にしてほしい」と話した。

(島袋良太)