建物復元の可能性も? 崇元寺跡で新たな遺構確認 那覇市「史跡指定へ前進」


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庫裏の基壇(手前)と正廟につながる階段(奥)の遺構=19日、那覇市泊(大城直也撮影)

 那覇市による崇元寺跡の発掘調査では、戦後初めて調査する部分でも遺構が良好に保存されていることが確認された。同市の鈴木悠学芸員は「史跡指定に向けた調査が一歩前進した」と話す。史跡指定が実現した場合、どのように公開・活用するかは未定だが、遺構を見せるだけでなく建物を復元できる可能性もあるという。

 崇元寺跡の焼け残った石門や石垣は国の重要文化財に指定されている。崇元寺跡の大部分は現在、市の公園になっているが、史跡に指定すれば、より確実に保護できるようになる。

 今回の調査では庫裏(くり)と呼ばれる建物と正廟(せいびょう)をつなぐ階段、字を書いた不要な紙を焼く「惜字炉(せきじろ)」、東庁の基壇(建物を支える石や土の壇)などが確認された。東庁近くにはサンゴの破片が敷かれ、清めの意味だった可能性がある。

 発掘調査は、戦前に出版された建築史家・田辺泰氏の著書「琉球建築」の図面を参考にした。図面通りに遺構が確認され、精度の高さが裏付けられた。鈴木学芸員は「遺構の状態が良く、戦前の図面や建物の写真も残されているため、建物も含めて復元できる可能性が高い」と指摘した。