崇元寺跡、新たな遺構 那覇市調査 国史跡指定目指す


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遺構の保存状態を確認するため崇元寺跡で実施している発掘調査=19日、那覇市泊(大城直也撮影)

 那覇市は1日から、沖縄戦で建物が焼失した崇元寺跡の発掘調査を進めている。崇元寺公園内の調査は1982年以来39年ぶり。前回は正廟(せいびょう)などの遺構が良好な状態で確認された。今回はそれ以外の遺構も含めて、全体的な保存状態を確認するのが目的。前堂(ぜんどう)、東庁(とうちょう)、庫裏(くり)などがあった箇所を戦後初めて調査し、遺構が良好に保存されているのを確認した。調査は月内で終了する。

 市は今回の調査成果や今後の文献調査を基に、国の史跡指定を目指して国や県と調整する。

 崇元寺は琉球の歴代国王の位牌(いはい)を安置した国廟(こくびょう)で、1527年ごろに創建されたと考えられている。琉球国王即位のために中国の冊封使が琉球を訪れた際、亡くなった先王をまつる儀式が崇元寺で執り行われた。王国時代の重要施設であることから戦前は国宝に指定されていた。