【記者解説】女性管理職14%「負担かかる」「女性が断る」でいいのか…意欲そぐ環境改善を


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 県や41市町村で女性管理職の占める割合が14.0%にとどまり、性別による格差が大きい現実が露呈した。背景には、固定化された男女のイメージや偏見、長時間労働がある。 (明真南斗)

 国が指導的地位の女性割合を30%にするという目標を掲げた2003年、県内市町村の女性管理職は5.9%だった。当時に比べると「ましになった」などと評価する声も自治体内部から聞こえる。

 ただ、県内の推計人口を見ると女性が約51%を占める。本来は半数ずつである状態が平等だ。少なくとも女性管理職の割合は、職員全体の女性割合と同じ程度でなければ、平等な状況とはほど遠い。県や11市の知事・市長部局職員の全体では3、4割が女性だ。

 社会の仕組みをつくり運営していく政治・行政が男性中心のままでは、男性優位の社会構造が維持されやすい。均質的な組織では、男女に限らず他の少数者や弱い立場に置かれた人々への配慮も欠ける恐れがある。社会全体を変えるためにも、政治・行政分野の変革は重要だ。

 女性管理職がゼロの自治体からは構造的問題のほか、業務内容から「女性に負担が大きい」という説明や「女性が就任を断る」などと責任を転嫁するような説明もあった。同じ業務内容でも男性より女性に負担が大きく感じられる理由や、昇進への意欲をそいでいる要因は、職場内の偏見や家庭内の過重負担にあるのではないか。

 自治体における男女格差の解消には、社会全体の意識改革も必要だ。意思決定の場で多数を占める男性たちがまず、格差のある現実を認め、向き合わなければならない。