女性の社会進出、行政から手本を 浦添市初の女性副市長の思い


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大城千栄美浦添市副市長(中央)を囲む(左から)高江洲幸子福祉健康部長、安和さゆりこども未来部長、仲間陽子教育部長、比嘉さつき議会事務局長=17日、同市役所

沖縄県内市町村役所・役場で働く女性管理職は、平均で14%。2割にも満たない市町村が多い。浦添市は2年前に女性副市長が誕生し、部長クラスでも女性登用が進む。 (真崎裕史通信員)

2年前の5月、浦添市初の女性副市長が誕生した。元総務部長の大城千栄美さん(60)だ。女性初の部長に登用されるなど、女性管理職の道を切り開いてきた。「意思決定の場に女性が関わって初めて、男女共同参画社会が実現する」と力を込める。

20歳で市役所に採用された。「課長、部長は当然男性という認識だった」と振り返る。49歳で課長、52歳で女性初の部長に昇任。そして58歳の時、副市長に登用された。「女性初」のプレッシャーはあったが、「私がやれば、もっと優秀な後輩たちが後に控えている」と自らを鼓舞した。

現在、同市の部長職17人中、女性は4人で全体の23.5%。2020年度末までに10%程度とする国の目標値を大きく上回る。男性中心だった財政部門に若手女性を配置するなど、先を見据えた人事に取り組む。「もっと女性の(管理職)登用があっていい。女性の社会進出が遅れていると言われる中で、行政が手本を示したい」

同市の女性管理職は「かたりべの会」という親睦会をつくっている。そこで悩みを吐き出し、互いに支え合う。大城さんは不安げな後輩を「私ができたんだから、あなたならもっとできるよ」と励ます。

大城さんは社会の変化に感慨を抱きながら「まだまだ」だとも思う。「(女性登用が)『逆差別』との意見もあるが、決してそうではない。力があって、任せてみるとしっかりできる。今はまだ環境整備が必要な時期だ」と強調した。