バレーボールのKBC学園杯第69回全沖縄高校冬季選手権最終日は22日、那覇市民体育館で男女決勝を行った。男子は美里工が西原に2―1で競り勝ち、2年連続12度目、女子は首里が中部商に2―0で2年連続3度目の頂点に立った。上位校が例年派遣される全九州選抜大会が中止となったため、本年度は派遣はない。
<焦点>「春高」糧、冷静に雪辱/美里工業
決勝は昨年11月の県高校新人大会と同カードの美里工―西原。昨年の新人は、2年生主体の美里工が1年生の多い西原に最終セットで敗れた。
美里工の安慶名友也主将は「新人大会で負けた悔しさを全力でぶつける」。全員が速いスパイクを磨き、攻撃パターンを増やして挑んだ。
前半から互角の戦い。西原が5連続得点を奪ったかと思えば、美里工も4連続得点で間を詰めていく。手に汗握る接戦は1―1で最終第3セットに入る。
セッターの安慶名が松田峻と吉田倫太のダブルエースをうまく使い分け、ミドル、クイックと多彩な攻撃でブロックの的を絞らせない。
3枚ブロックにも付かれた松田は「高い打点から打てるのが強み。(コート)奥を意識し打っていった」と空いたコースに正確なスパイクを決め、得点を積み重ねた。
守っては、西原のエース安仁屋光葉のスパイクをブロックでがっちりと捉えて封じていく。勝利への気持ちがはやる終盤も、冷静な攻守を貫き、2連覇を決めた。
安慶名は「春高も経験し、全国大会のレベルも分かった。もっと全国で通用するスパイク、レシーブを磨きたい」と優勝の喜びをかみしめる。今回の派遣はなくなったが、新チームは九州の頂を見据え、力を蓄える。 (上江洲真梨子)
奥山、奮起の鋭角スパイク/首里
○…最初のセットは中部商エースへの徹底マークが奏功し、先取した首里だったが、第2セットはレシーブやスパイクが乱れ、主導権を握られた。「ブロックアウトを狙ったスパイクに修正してきていた」(奥山日菜子主将)と、接戦となった。
173センチ、最高到達点は285センチを誇るエース、奥山もブロックアウトを狙い「あえて打ち付けてゲームを盛り上げる」と反撃。苦しい時こそ「自分しかいない」と奮い立たせ、鋭角なスパイクを相手コートに決めて点差を広げていった。
個人では最優秀選手賞も受賞した奥山について、東風平和成監督は「苦しい時こそ決めてくれるエースに成長した」と褒め、チームの成長に笑みを浮かべた。