72%の「反対」顧みず…政府の設計変更申請、県の判断は来年度か 辺野古県民投票から2年


72%の「反対」顧みず…政府の設計変更申請、県の判断は来年度か 辺野古県民投票から2年
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 米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡り、埋め立ての賛否を問う県民投票から24日で2年を迎えた。約72%が反対に投じたが、政府は工事を続けている。沖縄防衛局は軟弱地盤に対応するために設計を変更し、県に改めて承認を申請している。これに対し玉城デニー知事の最終判断は来年度にずれ込む公算が大きい。

 玉城知事は3月中旬をめどに、日本に復帰して50年を迎えるのに向けて米軍専用施設面積の全国比について「当面50%以下を目指す」という数値目標を掲げて要請する予定だ。強硬な姿勢を崩さない政府を揺さぶる狙いがある。

 2019年、県民投票の実現を求める「『辺野古』県民投票の会」(元山仁士郎代表)が集めた署名は10万筆を超え、押印漏れなどを除いた有効署名数は9万2848筆に上る。県民投票は19年2月24日に実施され、投票率は52・48%。有効投票総数の72・15%、43万4273人が反対の意思を示した。

 政府が県民投票の結果を顧みず、長期間かかる辺野古移設に固執している間にも普天間飛行場周辺での被害は続いている。20年4月、有機フッ素化合物(PFAS)を含む泡消火剤が流れ出す事故が発生した。

 防衛局はコロナ下に設計変更を申請。埋め立て予定の大浦湾に広がる軟弱地盤の存在で、現在の設計では完成できないことが判明している。設計を変えるには玉城知事の承認が必須だ。完成できたとしても事業完了までに少なくとも約12年、約9300億円かかる。

 玉城知事は県民投票の結果を後ろ盾に日米両政府に対話による解決を求めている。その一方で、工事阻止へ法廷闘争を続ける。