「供給いつ」「体制は」前例ない事業に課題山積…コロナワクチン自治体調査【市町村別一覧表】


この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子

 「移動が困難な施設入所者は、どのようにすればいいのか」「副反応への対応は」「医療体制の構築が難しい」―。新型コロナウイルス感染症のワクチン接種に向けて、県内の自治体が準備を進めている。16歳以上の全住民を対象とした予防接種という、前例のない大規模な事業になる。各自治体は不安の中で準備に取り組んでいる。

 現時点でワクチンの供給時期は不透明なままで、各自治体は頭を悩ませている。ワクチンの接種時期を明示できていない宜野座村の担当者は「供給量や時期などが分からないため、具体的な計画が立てにくく、準備が難しい」と苦慮している。ワクチン供給の遅延は接種券の配布や、その後の対応にも影響しそうだ。久米島町の担当者は「国の指示では接種券の発送は3月となっている。接種開始が遅れた場合、接種券の紛失などが多数発生することが懸念される」と述べる。

 医療体制の構築にも多くの自治体が頭を抱えている。宜野湾市の担当者は「医師は通常の診療を継続しながらワクチン接種に協力していただく。並行して実施するワクチン接種の調整が難しい」と指摘する。接種に伴う医療機関でのシステム入力作業など、事務作業が発生することにも触れて「医療機関の負担が大きい」としている。

 西原町の担当者は「接種券の送付(案内)に実施医療機関や日程を入れることができない。町や医療機関への問い合わせが多く寄せられ、現場が混乱しないか」と不安視する。「クリニックなどで個別接種を引き受けてもらえるのか」(南風原町)との意見もある。高齢者施設入所者など、集団接種や医療機関での接種が困難な人にどのように対応するかなど、さまざまな課題を指摘する声があった。