written by 玉城江梨子
落ち込んだとき、迷ったとき、自信をなくしてくじけそうになったとき、あなたを励ましてくれるものは何ですか?
琉球新報で記者をしている私も仕事や私生活で数々の失敗、迷い、後悔を繰り返してきました。そのたびに折れそうになる心を支えてくれたのは、同僚や友人、取材で出会った人たちや、新聞や雑誌などに載っている会ったこともない人たちの姿や言葉でした。
絶望的な状況を目の当たりにし、これをなんとかしなければと立ち上がった女性、
身近な困りごとから「これっておかしくない?」と声を上げた女性、
仕事と育児、家事に追われ「大変ー」と言いながらも日々をひたむきに生きる多くの女性たち。
その思いや活動を伝え、一人でも多くの仲間をつくる手助けになればと取材をするのですが、気づけば私の方が、彼女たちから力をもらっていました。
ジェンダーギャップ指数がG7の中で最下位の日本。
「女だから」「女なのに」と言われ続けているうちに自分で自分を抑えてしまっていたり、口をつぐんでしまったりしている女性は少なくないはず。
でも、社会を変えるのは普通の人が暮らしの中で感じる疑問や、生きづらさへの異議申し立てから。たとえば数年前に話題となった「保育園落ちた、日本死ね」。匿名のブログから保育所入所待機児童問題が大きくクローズアップされました。
#MeTooも勇気ある人の告発から世界に連帯の輪が広がりました。ブラック校則も今まで「当たり前」とされていたことに対する「おかしい」という声から問題が可視化されました。
日頃私たちが感じる「変だな」「これ、おかしくない?」と思っていることを言葉にすること、声を上げやすい社会を作っていくことが、誰もが生きやすい社会を作る第一歩なのではないか。自分の疑問や望む社会の姿に素直に向き合い、自分の周りを少しずつ変えている女性たちの姿を伝えることが、誰かの支えになったり背中を押したりするのではないか。
そんな思いから2年前の国際女性デーに先輩の女性記者3人と、性別にとらわれず自分らしい生き方をしている女性たち7人を取り上げました。琉球新報の国際女性デー報道の始まりです。
このとき、私が取材したうちの1人が、俳優でアクティビストの石川優実さんでした。
職場でのパンプス強要をやめてほしいという署名活動をしていることをツイッターで知り、「この人だ!」と思ったのです。
ツイートをさかのぼっていくと、沖縄にゆかりがある方ということも判明。パンプス強要に潜む性差別、差別している側はそれが見えないこと、#KuTooや#MeTooと米軍基地問題など深く話してくださいました。
その時の記事はこちら。
「嫌だと思ったことは口にしていい」性被害とパンプス強要を経験して気づいたこと
https://ryukyushimpo.jp/style/article/entry-886700.html
今年の国際女性デーはその石川優実さんをお迎えし、「沖縄から性差別について考える」と題したウェビナーを開催します。あらためて性差別とは何か?最初に取材した2年前から何が変わったのか。行動を起こして分かったことなどをお話しいただきます。
そして、もうひとり素敵なゲストも登場。琉球新報の連載「100センチの視界からーあまはいくまはいー」でおなじみの伊是名夏子さんです。
伊是名さんは骨が弱い障がいを抱えながら、首里高校に通い、県外の大学、大学院に進学。そして結婚、出産。現在は電動車いすを使いながら2人の子育てに奮闘しています。
福祉分野の取材が多く、医療的ケア児の取材もしていた私は、インクルーシブ教育とは何か? インクルージョンな社会とは何か? そのために「健常者」に必要な視点とは何か? 報道がすべきことは何か? を考えるときに、伊是名さんの書いたコラムや、伊是名さんについて書かれた記事を読んでいました。
伊是名さんのコラム「100センチの視界からーあまはいくまはいー」
https://ryukyushimpo.jp/style/special/entry-508964.html
誰もが生きやすい社会を作ることを、自分の生き方を通じて実践されてきた伊是名さんの言葉には、力があります。
第2部ではそんな伊是名さんと石川さんの対談を予定しています。女性が声を上げることに対して浴びせられる誹謗中傷、声を上げ続けられる秘訣、社会を変えるために必要なことは何か?などより具体的に話してくださいます。お二人への質問も受け付けます。
参加した方がエンパワメントされる時間になること間違いなしの企画です。
みなさんの参加をお待ちしています。
国際女性デー2021・ウェビナー「沖縄から性差別を考える~#KuTooの石川優実さんを迎えて」
【日時】2021年3月7日(日)午後2時~ ※見逃し配信あり
【出演】石川優実氏(俳優、アクティビスト)、伊是名夏子氏(コラムニスト)、玉城江梨子(琉球新報デジタル推進局)
こちらは有料のウェビナーとなっております。琉球新報デジタルの会員なら550円、非会員は1650円(いずれも税込み)で参加できます。琉球新報デジタルは琉球新報を宅配で定期購読している方ならずっと無料。定期購読していない方も、今なら2ヵ月無料で会員となることができます。この機会にデジタル会員へのご登録をオススメします!
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