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〈64〉リンパ腺が腫れる病気 細菌感染やがんの転移

 リンパ腺(リンパ節)が腫れる病気には、主にウイルスや細菌の感染による良性のものと、悪性リンパ腫やがんのリンパ節への転移など悪性のものがあります。若い人ではリンパ節炎などの良性の病気が多く、高齢者では悪性の病気が多くなります。

 リンパ節は全身にあり、1センチ程度の豆型で、免疫の大切な働きをしています。体表面から触れることができるのは首周辺、わきの下、ももの付け根などです。感染によるリンパ節炎は、急にリンパ節が腫れて痛みが生じ、感触が軟らかいのが特徴です。悪性腫瘍はゆっくりと腫れ、痛みがなく、硬いことが多いですが、悪性リンパ腫などではゴムのような感触の場合もあります。

 原因となった病気によって、感染を起こしたリンパ節だけが腫れる場合と、全身のリンパ節が腫れる場合があります。首周辺のリンパ節はへんとう炎や虫歯などの感染によることが多いですが、悪性リンパ腫や口腔(こうくう)がん、咽頭がん、甲状腺がんの転移や結核性リンパ節炎も考えられます。

 鎖骨の上のリンパ節は肺がんや胃がんの転移が起こることがあります。わきの下は手や腕の感染によるものが多いですが、乳がんの転移もあります。ももの付け根のリンパ節はけがや感染で腫れることが多いですが、泌尿器科や婦人科の病気が原因のことがあります。

 全身のリンパ節が腫れる病気には膠原(こうげん)病やウイルスによる伝染性単核球症、リンパ性白血病、サルコイドーシスなどがあります。また服用している薬が原因でリンパ節が腫れることもあります。

 この他にもいろいろな病気でリンパ節が腫れることがあります。悪性の場合、全身がだるい、食欲がない、体重が減るなどの症状があります。診断は血液検査、超音波検査、CT、MRIなどで原因やリンパ節の大きさ、病気の広がりを調べ、必要な場合はリンパ節を切り取って細胞を調べる検査をします。

 リンパ節の腫れに気付いた時、腫れが長く続く場合、腫れているのに痛みがない場合、腫れが大きい、感触が硬い場合は内科(血液内科)、首周辺のリンパ節が腫れている場合は耳鼻咽喉科などを受診してください。

(田中新司、海邦病院・内科)



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