黒糖カチ割り装置を開発 コスト削減で競争力強化に期待 垣乃花と職業能力開発大学校


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黒糖カチ割り装置を共同開発した、黒糖本舗垣乃花の垣花兼一社長(左から2人目)と、平良悠斗統括リーダー(前列右)ら沖縄職業能力開発大学校の学生、関係者ら=25日、沖縄市池原の沖縄職業能力開発大学校

 沖縄職業能力開発大学校(沖縄市)の応用課程2年の学生7人が、黒糖本舗垣乃花(浦添市、垣花兼一社長)と共同で、ブロック状の黒糖を小さく不ぞろいな塊に割る「黒糖カチ割り装置」を開発した。手作業で行っていた作業を機械化することで、従業員の負担削減や生産コストの低減が期待される。

 垣乃花では、多良間島産の黒糖を年間112トン仕入れて加工し、一口大の「カチ割り」などにして出荷している。重さ30キロのブロックを、従業員がカッターのような道具を使って手作業で2~4センチの大きさに割る。硬い黒糖を割る作業は負担が大きく、腕に炎症を起こす従業員もいたという。大量発注への対応が困難なことなども課題だった。

 2019年の「沖縄の産業まつり」で、同校のブースに立ち寄った垣花社長が相談を持ち掛け、機械化に取り組むことになった。

 半年以上を費やして開発した装置は、手作業の4倍以上の効率を達成し、カチ割りに大事な「不ぞろい感」などの条件も満たした。垣花社長は「期待以上の成果で大満足。従業員の負担を減らし、コストが下がることで県産黒糖をさらに県外に展開できるようになる」と高く評価した。

 統括リーダーを務めた平良悠斗さん(21)は「これ以上ないくらいに実験を繰り返した。工場を見学して苦労している様子を見たので、負担軽減につながればうれしい」と話した。