琉球アスティーダ、国内プロスポーツ初となる上場の狙いとは 地元へ利益還元のモデル描く


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 卓球Tリーグの琉球アスティーダを運営する琉球アスティーダスポーツクラブ(中城村、早川周作代表)は26日、東京証券取引所内のプロ投資家向け市場「東京PROMarket(プロマーケット)」に新規上場を申請した。上場予定日は3月30日。アスティーダによると、国内のプロスポーツチーム運営企業が株式市場に上場申請を出すのは初だという。

 上場を活用して、市場からの資金調達やガバナンスの構築など経営体制の整備を図る。地元の企業などが投資によって株主となり、アスティーダが成長することで、株主配当によって利益を地元に還元していくモデルを描いている。

 早川代表は、今後のプロスポーツチームの経営について、地元の資本による地域に根差した経営によって持続可能な運営体制を確立し、地方都市やマイナースポーツでも成り立つようにしていくべきだと指摘する。「プロスポーツに新しいお金の流れをつくり、歴史を変えていきたい。夢と感動を与えるスポーツに新しい循環モデルをつくり、スポーツの可能性を最大限引き出していく」と話した。

 Tリーグでは、規約によって株式譲渡や新規発行などに、リーグ理事会の承認が必要とされている。

 アスティーダによると、株式上場を条件として、例外的に制限の適用外とすることなどを理事会で承認された。

 アスティーダは、2018年2月に設立。プロチーム運営を中心に、卓球スクール事業やヘルスケアセンター、飲食店の「スポーツバル」を県内で14店舗運営するなど、スポーツを核に幅広い事業を展開している。19年12月期決算では、売上高が2億6121万円、純利益は652万円。

 発行済み株式総数は139万3500株で、上場に伴う新規株式発行の予定はない。主幹事証券会社(J―Adviser)はフィリップ証券。


[用語]東京プロマーケット

 東京証券取引所内の株式市場で、買い付けは原則的に機関投資家などのプロに限定されている。人材を集めるために信用度、知名度を高める目的で上場する企業などが多い。県内では、ステーキレストランを経営する碧(那覇市)が2013年から上場している。WBFリゾート沖縄(豊見城市)も15年に上場したが、ブランドを浸透させて一定の成果を上げたとして、19年に上場を廃止した。


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