歓迎・警戒「気緩めず」 県緊急宣言解除 飲食店「予防策を徹底」


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 県独自の3度目の緊急事態宣言が解除された1日。営業時間の短縮要請も終了し、各地の飲食店では通常営業に向けて準備を進める様子が見られた。街を行き交う人も増え出したが、観光地の人出はまばら。県民からは解除を歓迎する声がある一方、再拡大を懸念し「徐々に戻ってきてくれれば」などと“徐行運転”するよう注文を付ける声も多い。

 時短営業期間中は閑散としていた名護市の歓楽街。名護社交飲食業組合の渡久地等組合長は「長かった。われわれも客も我慢していたので解除になってほっとしている」と話す。その上で「感染予防を徹底するよう話している。徐々に客足が戻ってきてくれれば」と期待した。

 豊見城市役所の売店に弁当を卸しにきた弁当店「はなはな」社長の川端博勝さん(53)=那覇市=は「テレワークの影響で弁当の売り上げが減ってきつい」と吐露する。再拡大を防ぐためにも「個々人が気を緩めず対策をしないといけない」と強調した。

 読谷村座喜味の観光地やちむんの里はこの日も臨時休業する店があった。大阪府から訪れた成田麻莉さん(31)は「対策をしっかり取れば旅行も楽しめる。経済のためにも、少しずつ元の生活に戻していく努力も必要だ」と話した。

 経営コンサルタントの前野尚史さん(53)=石垣市=は、時短協力金の対象業種以外への「一時支援金」が国の緊急事態宣言地域と同様に支給されるかが不透明だとし「緩和の雰囲気が先行して、そこがうやむやになる事態は避けてほしい」と注文を付けた。

 宮古島市のスーパーで日用品を買っていた下地裕子さん(64)は感染が急拡大した1月の市内の状況を挙げ「医療崩壊の危機を感じたばかり。(解除で)気が緩み同じ状況にならないか不安だ」と語った。

 那覇市の第一牧志公設市場も依然として客足は少ない。漬物店を営む玉城文也さん(31)は「観光客が少ない中で地元客に支えられている」と感謝しつつ「先が見えない。飲食業以外にも支援金などを出してほしい」と訴えた。