本島南部の土砂を採取し辺野古新基地建設の埋め立てに使う計画の断念と、知事による採掘事業の中止命令発出を求め、沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」代表の具志堅隆松さん(67)が那覇市泉崎の県民広場で始めたハンガーストライキが2日、2日目を迎えた。ハンストは6日まで。
正午の集会で具志堅さんは、厚生労働省が沖縄や海外の戦没者遺骨の身元をDNA鑑定で特定し、遺族に返還する施策に触れ、防衛省の計画を「反対の行為で間違いだ」と指摘。具志堅さんと活動する「戦没者遺骨を家族の元へ」連絡会の上田慶司さん(63)=大阪市=も「厚労省の遺骨返還の流れに逆行する」と批判した。土砂採取先の八重瀬町の島ぐるみ八重瀬の会の沖本裕司事務局長(74)は「南部戦跡は私たちの文化であり財産だ。守っていこう」と呼び掛けた。
具志堅さんの思いに共感し、県民広場に足を運んだ座波次明さん(73)=南城市=は姉が沖縄戦に動員され、糸満市摩文仁の沖縄師範健児の塔近くで亡くなった。姉の遺骨は見つかっていないという。母の悲しみを聞き育ったという座波さんは「人間の血が染み込んでいる土地から土砂を取ることを絶対に許してはいけない」と語気を強めた。